この記事は「【ひったくりより怖い!?海外旅行中のスキミング対策】」という元動画のタイトルを基に記事を書いています。
結論
海外旅行中のスキミング被害は「財布をすられる」よりも発見が遅れやすく、気づいたときには不正利用や現金引き出しで大きな損害になることがある。
対策は簡単で手軽にできるものが多い。最低限やるべきことは次の3つ:
- RFID/磁気情報を遮断するカードやポーチを使う(ポーチやカード一枚でかなり防げる)
- クレジットカードのキャッシング枠を確認・必要なら下げる(被害額の上限になる)
- 海外でカードを使ったら明細を必ず残し、怪しい請求は速やかにカード会社へ連絡する
以下に詳しく解説します。
スキミングとは?(わかりやすく)
スキミングとは「隙間(すきま)」を利用した犯罪で、読取機(スキマー)や非接触読み取り機を使い、カードやパスポートに埋め込まれた情報を不正に読み取って盗む手口です。
盗まれた情報は偽造カード作成や、オンラインでの不正利用、キャッシング(現金引き出し)に使われます。
動画の事例から分かるポイント
- かつてはパスポート情報が狙われ、偽造パスポートが売買されていた(例:かつて日本のパスポートが50万円で取引された時代があった、と動画で紹介)。現在は偽造が難しくなったがゼロではない。
- 現在もっとも多いのはクレジットカード情報のスキミング。番号・有効期限・セキュリティコードなどを読み取られ、偽造カードを作られたり、不正引き出し・不正決済に使われる。
具体的な被害パターン
- キャッシング枠(例):10万円の人 → 最大被害は10万円。100万円や300万円に設定している人 → 同額まで悪用される可能性がある。
- 発覚のタイミング:キャッシュカードは残高が減るので比較的早く気づく。クレジットカードは請求が来るまで(翌月)気づかないことが多い。
- すれ違いざまにピッと読み取られる:小型の読み取り機を鞄や財布にかざすだけで情報を盗める。犯人が誰か特定しづらい。
スキミングの典型的な手口
- ATMに偽のカード挿入口(スキマー)を取り付け、カード情報と暗証番号を盗む
- 通りすがりに小型リーダーを鞄に押し当て、非接触(RFID/NFC)内蔵カードの情報を読み取る(気づかれにくい)
- オンラインで盗んだ情報を使って買い物や送金、あるいは偽造カードを作ってATMから引き出す
具体的で効果的な対策(チェックリスト形式)
以下は動画で紹介されている実践的対策に、補足説明を加えたものです。
短くて即効性のある対策(必須)
- RFIDブロックカード(ペラペラの防止カード)をクレジットカードと一緒に入れる。これだけで非接触読み取りから守れることが多い。
- RFIDブロックポーチ/パスポートケースを使う(財布に入れたままでも安心)。
- ATMを使う前にカードスロット周辺をよく観察する(浮きや異物がないかを確認)。
- クレジットカードのキャッシング枠を確認し、必要ないなら下げる。
- 海外でカードを使ったらレシート・明細を必ず保管する。使っていない請求が出たら速やかにカード会社に連絡する。
追加でやっておくと良い対策
- 旅行前にカード会社連絡先(海外専用番号)を控えておく。
- ATMは銀行支店内や明るい場所を選ぶ(スキマー設置は野外や無人ATMで起きやすい)。
- オンライン明細やアプリの利用通知(プッシュ通知)をONにする。
- 財布の配置:普段使いのカードだけを外ポケットに入れない、複数カードは分散して保管する。
- 不審な接触(鞄に誰かが近づいてきて触れた等)を感じたらその時点でカード会社に報告できるように控えを取る。
チェック表(旅行前・旅行中)
項目 | 実施すること |
---|---|
RFID防護 | RFIDブロックカード or ポーチを準備 |
キャッシング枠 | 必要に応じて下げる |
ATMの確認 | 挿入口に異物がないか確認 |
明細管理 | 明細は必ず保管・オンライン通知ON |
連絡先 | カード会社の海外連絡先を手元に保存 |
実際に役立つアイテム
- RFIDブロックカード(クレジットカードと同サイズの薄いカード):財布に入れておけば読み取りを妨げる。
- RFIDブロックパスポートケース・ポーチ(内布が特殊加工):パスポートやカードを入れておくだけでスキミング防止。
- カードホルダータイプのRFIDケース:財布に入るサイズで使いやすいものを選ぶ。財布のカードポケットに入るかを確認して購入することが重要(ケースによっては財布に収まらないことがある)。
購入の際のポイント
- 「RFID blocking」「RFID protection」「EMI/RF shielding」といった表記を確認。
- 薄いカード型は使い勝手が良い(財布のカードポケットに入る)。ホルダー型は出し入れが面倒な場合あり。自分の財布との相性で選ぶ。
被害に気づいたらどうする?
動画で強調していたのは「請求が来たときに自分が使っていないことを証明する準備をしておく」こと。下は実際の対応フローです。
被害発覚時の対応フロー
- 明細を確認し、怪しい取引をピックアップする(日時・金額・店舗情報)
- すぐにカード会社へ連絡し、カードを停止してもらう(海外専用番号がある場合はそこへ)
- 不正取引の証拠として、旅行時の移動記録(自分がその国・都市にいなかったこと)やレシート等を保存する
- カード会社の指示に従って書面での異議申し立てや警察への被害届を提出する(場合により必要)
- 必要ならクレジットカードの再発行、パスポートの再発行手続きなどを行う
カード会社に送る短い連絡文(日本語の例)
- 件名:不正利用の疑いについて(カード番号下4桁:1234)
- 本文:海外旅行中に利用していない請求が確認されました。該当取引は以下の通りです。日時・金額・店舗名。私は当該日時にその場所にいません。カード停止と調査をお願い致します。必要書類があればご指示ください。
英語での連絡(海外窓口に使える短文)
- Subject: Suspected unauthorized transaction (Card last 4 digits: 1234)
- Body: I found transactions on my statement that I did not make. Details: date, amount, merchant. I was not in that location at that time. Please block my card and investigate. Please advise what documents are needed.
※動画の指摘どおり、「使っていないことを証明する」ために、普段から明細を取っておく習慣が重要。オンライン明細のスクリーンショットや旅行日程(フライト・ホテルの予約証)を用意しておくと証明が楽になります。
よくある疑問・Q&A
Q. 財布の中に入れてあるだけで読み取られるの?
A. はい。非接触方式(RFID/NFC)のカードは物理的に接触しなくても近距離で読み取られる場合があるため、財布に入れた状態でも小型機器で情報を読み取られることがあります。
Q. すりに遭わなければ大丈夫?
A. いいえ。すりに遭っていなくても情報だけが盗まれるケースが増えています。動画で強調されている通り、すれ違いざまにピッとやられると犯人が特定されにくいです。
Q. どのカードが危ないの?
A. タイプよりも「情報が入っているか」が問題です。非接触機能があるカードや磁気情報があるカードは対象になり得ます。対策をすることが重要です。
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