本記事は、YouTube動画「ドイツのアジア人差別はある?現実は○○です」をもとに作成しています。海外生活の中で誰もが一度は気になる「人種差別」というテーマについて、ドイツ在住の日本人が実際に感じた印象や体験をもとに、現地のリアルな様子を分かりやすくお伝えします。
結論:ドイツはアジア人が住みやすい国。でも、差別が全くないわけではありません

まず最初にお伝えすると、ドイツは全体的に日本人にとても好意的な国です。特に日本の技術や文化に対して尊敬の気持ちを持っている人が多く、アジア人の中でも日本人は良い印象を持たれています。
ただし、「差別が全くない」と言い切ることはできません。
どんな国にも、残念ながら少なからず偏見を持つ人がいます。ドイツも例外ではありません。しかし、アメリカやフランスなどと比べると差別が少なく、アジア人にとっては比較的暮らしやすい国だといえます。
ドイツ人が日本に好意的な理由は世代によって違う
ドイツでは多くの人が「親日的(日本が好き)」な気持ちを持っていますが、その理由は世代ごとに少し違います。
年配の世代の人たちは、第二次世界大戦で日本とドイツが同盟関係にあったことを知っていて、その歴史的なつながりから親近感を持っている人が多いそうです。
40代~60代の中年世代では、日本を「技術の国」として尊敬する人が多くいます。ソニーやトヨタなど、日本の製品を通じて日本人の勤勉さや品質の高さを評価しているのです。
そして若い世代になると、アニメや漫画などのサブカルチャーをきっかけに日本を好きになる人が増えています。特に「ドラゴンボール」や「ワンピース」、「ナルト」などはドイツでも大人気で、日本の文化そのものに憧れる若者が多いのです。
このように、ドイツでは幅広い世代に「日本=良い国」という印象が根付いています。
差別が少ない理由は、歴史と社会の意識にあります
ドイツはヨーロッパの中でも、比較的人種差別が少ない国と言われています。その背景には歴史的な違いがあります。
フランスやイギリスは、かつて植民地を多く持っていた「帝国主義の国」でした。そのため、長い歴史の中で「自国が上、他国が下」という考えが根強く残ってしまいました。
一方、ドイツはそうした植民地政策が限定的だったため、他民族への偏見が比較的少ないといわれています。実際、アメリカなどで人種差別の事件が起こると、ドイツでは「差別反対デモ」が起こるほど、差別に対して敏感な社会です。
また、現代のドイツは「移民大国」と呼ばれるほど外国人が多く、多様な人種が共に暮らす社会になっています。そのため、差別について議論する文化が根付いており、「人種差別は許されない」という意識が一般の人にも浸透しています。
それでも田舎では“珍しがられる”ことがあります
大都市(ベルリン、フランクフルト、ミュンヘンなど)では日本人やアジア人が多く、差別を感じることはほとんどありません。特に日本企業が多く進出している地域では、日本人に対してとても友好的です。
しかし、地方や田舎の小さな村に行くと、アジア人が珍しいために「じろじろ見られる」と感じることがあるそうです。
ですが、これは「差別」というよりも「興味」や「好奇心」によるものが多く、敵意を持って見ているわけではありません。むしろ「どこの国の人だろう?」という純粋な関心である場合がほとんどです。
「強い口調=差別」ではありません
ドイツ語は発音がはっきりしていて、話し方もストレートなため、日本人には少し怖く聞こえることがあります。店員さんがフランクに話しかけてきたり、ため口で対応することもありますが、それはドイツでは普通のことです。
日本のように「お客様が上で、店員が下」という文化ではないため、ぶっきらぼうに感じても、それは単なる文化の違いです。
「日本人だから冷たくされた」と感じてしまう人もいますが、多くの場合それは差別ではなく、ドイツでは誰に対しても同じように接しているだけなのです。
子どものからかいや軽い冗談はありますが、深刻ではありません
ドイツで暮らす中で、まれにアジア人の子どもが学校でからかわれることがあります。
語り手の方も、子どもの頃に「見た目」について言われた経験があるそうです。しかし、たいていの場合は友達が守ってくれたり、一言言い返せばすぐにおさまる程度のものです。
ドイツでは大人が本格的にアジア人を差別したり、暴力をふるうようなケースはほとんどありません。ですから、過度に心配する必要はないでしょう。
挨拶が「安心して暮らすためのカギ」
ドイツで生活する上で大切なのは「挨拶」です。
スーパーや小さなお店で会計をするとき、お客さんの方から「ハロー!」と声をかけるのが普通です。日本では店員さんが「いらっしゃいませ」と言いますが、ドイツではお客さんが先に挨拶するのがマナーです。
また、買い物を終えて帰るときには「良い一日を」と声をかけられることもあります。
そのときは笑顔で「ダンケ!(ありがとう)」と返すだけで印象がぐっと良くなります。たったそれだけで、相手との距離が近づき、親しみを持ってもらえることが多いのです。
ドイツ人は見た目が怖い?でも実はとても親切です
初めてドイツに行くと、背の高い人や大柄な男性が多く、「ちょっと怖そう」と感じるかもしれません。確かに、180cm〜190cmを超える人も珍しくありません。
しかし、見た目が怖くても、実際はとても親切でフレンドリーな人が多いです。
勇気を出して「ハロー」と笑顔で声をかけてみると、意外なほど明るく返してくれることがほとんどです。最初は少し緊張しますが、慣れると気持ちが楽になります。
差別を感じたときの心構え
ドイツで生活していると、まれに不快な発言をされることもあります。しかし、大切なのは「自分が悪い」と思わないことです。差別をする側に問題があるのであって、される側が気に病む必要はありません。
もし嫌な思いをしたら、軽く受け流す、あるいは笑顔で返すことを意識しましょう。深刻に考えすぎず、冷静に対処することで、気持ちを引きずらずに前に進めます。
また、あまりにもひどい場合は、現地の警察や日本大使館に相談することもできます。ドイツでは人種差別に対して厳しい法律があるため、泣き寝入りする必要はありません。
まとめ:差別よりも、文化の違いを理解することが大切です
ドイツでアジア人が差別を受けるケースは、他の欧米諸国に比べるとかなり少ないです。多くのドイツ人は日本人に良い印象を持ち、日本文化にも強い関心を抱いています。
ただ、文化の違いから生まれる誤解や、地方での珍しがりなど、小さな戸惑いを感じることはあるでしょう。そんなときは「ドイツの文化はこうなんだ」と受け止めて、笑顔で挨拶するだけで関係が良くなることも多いです。
「差別を恐れすぎず、でも油断しない」。
このバランスを意識すれば、ドイツでの生活や旅行はきっともっと楽しく、安心したものになるはずです。
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