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イタリア旅行前に必読:現地在住30年のプロが語る人種差別の実態と安全な立ち回り方

(元動画「【注意喚起】イタリア旅行前に必見!人種差別の実態を告白します」を基に記事を書いています)


目次

はじめに:イタリアの“差別のリアル”を知る意味

動画投稿者の彼は30年にわたりイタリアに暮らし、韓国人の奥様と国際結婚をして2人のお子さんを育てています。

その生活の中で、実際に経験した人種差別や偏見の実態、そして観光客・在住者がどう対応すべきかを冷静に語っていました。


第1章 イタリアの人種差別は「たまに起こる」現実

1-1. 差別は日常茶飯事ではないが、完全にゼロではない

宮本さんは「人種差別はたまに起きる」と語ります。

日常生活ではフレンドリーな人が圧倒的に多いものの、時折、軽いからかいや無知に基づく偏見に遭うこともあるとのこと。

つまり「差別がある=危険な国」ではありません。
ただ、旅行者が不快な思いをしないためには“知っておく”ことが何より大切です。


第2章 街中で最も多い「若者のからかい」型差別

2-1. からかいの典型例:「チャイナ」「チャンチャン」「チョン」

イタリアの都市部では、若いグループや学生がアジア人を見て「チャイナ!」「チャンチャン!」と呼びかけてくることがあります。

彼らにとっては“冗談”のつもりでも、当事者にとっては侮辱的に感じられる行為です。
特に修学旅行中の生徒や若い男性グループがテンションでふざけてくるケースが多いとのこと。


2-2. なぜアジア人が標的になりやすいのか

多くのイタリア人にとって、アジアの国々(日本・中国・韓国)の違いを見分けるのは難しく、「アジア=中国人」という雑な認識で一括りにされることが多いからです。


2-3. 宮本さん流・3つの対処法

  1. 無視する(最も安全)
     反応しないことが一番。大人の対応でやり過ごす。
  2. イタリア語で切り返す(語学ができる人向け)
     相手は「どうせ言い返せない」と思っているため、流暢なイタリア語で冷静に答えると一瞬で黙る。
  3. 空手家のふりをする(ジョーク混じり)
     若者に「日本人=空手強い」というイメージがあり、冗談半分でポーズを取ると引いていくことも。

ただし、旅行者にとっては“無視”が最も安全な選択肢です。


第3章 レストランでの差別とその対処法

3-1. コロナ初期に多かった「アジア人分離」

コロナ禍の初期、アジア人とヨーロッパ人を別々に座らせるような店がありました。


宮本さん自身も、ピサ駅近くのレストランで「アジア人専用席」に案内された経験があるそうです。


3-2. 今の時代の正しい対応法

もし不快な対応を受けたら、無理にその場で抗議せず店を出てから口コミで記録を残すのが有効です。

Googleマップのレビューに「アジア人への対応が他と違った」と冷静に書くだけで十分。
SNS時代の今、店側も評判を気にせざるを得ません。


第4章 「アーモンドの目」などの表現に隠れる無知

4-1. イタリア人が使う「アーモンドの目」という言葉

イタリアでは昔から、アジア人の目の形を「アーモンドのように細い」と表現する人がいました。

悪気がない場合も多く、文化的無知から出ている発言であることがほとんどです。


4-2. テレビ業界でも問題化した「目を引っ張る」ジェスチャー

2021年には、有名テレビ司会者が目を横に引っ張る“アジア人の真似”をしたことで大炎上。

SNSを通じて世界的な批判を浴び、以後、テレビ業界全体で差別表現が見直されました。

時代は確実に変わりつつあります。


第5章 本気の差別発言の背景にある“経済の構造”

5-1. プラートに見る経済的な摩擦

フィレンツェ郊外のプラート(Prato)は、1980年代には繊維産業で栄えた地域でした。

しかし90年代以降、イタリア企業が縮小し、代わって中国系経営者が工場を引き継ぎ、低コスト・高速生産で大成功を収めました。


5-2. 「仕事を奪われた」という感情が差別を生む

一部の地元住民は、「アジア人に職を奪われた」と感じるようになり、ごくまれに「自分の国に帰れ」といった本気の差別発言をするケースも。

ただし、これは観光地ではほとんど見られず、経済構造の変化が背景にある一部の地域特有の現象です。


第6章 「イタリア人以外」から受ける差別もある

6-1. 実は他国出身の移民からの差別も多い

レストランや観光業では、ルーマニア、アルバニア、北アフリカ出身者が多く働いています。

そのため、差別的な態度を取ってくる相手が必ずしも“イタリア人”とは限りません。


6-2. 旅行者にできること

相手の国籍を決めつけず、事実だけを記録して冷静に残すことが大切です。

感情的なレビューよりも、日時・場所・言葉を淡々と記す方が説得力があります。


第7章 田舎での「珍しがり」行動は差別とは限らない

7-1. 外国人を見慣れない人々のリアクション

地方や小さな村では、アジア人を“珍しい存在”として見つめる人もいます。

侍や忍者の話を真面目にしてくる高齢者もまだいますが、これは敵意ではなく、単なる好奇心からくるものです。


7-2. 継続的な関わりで印象は変わる

宮本さん自身も、人口1万5千人の町・シーニャに移住した当初は冷たい視線を感じたそうです。

しかし20年の時間をかけて地域に溶け込み、今では市長ともSNSでつながるほどの関係に。

「相手を知れば壁はなくなる」
— それが彼の実体験から導き出された結論です。


第8章 在住30年の結論と旅行者へのアドバイス

8-1. 宮本さんの結論:差別は世界中にあるが恐れすぎる必要はない

「差別はイタリアだけでなく日本にもある。共存する限り完全にはなくならない。」

宮本さんはそう語ります。
イタリアでも、日本でも、他国でも、人間社会である限り偏見は存在します。

しかしそれを理由に旅をやめる必要はない。


むしろ、正しい知識と対応を知っていれば、安全に、そして気持ちよく旅行を楽しめます。


8-2. 旅行者のための安全チェックリスト

項目宮本さんのアドバイス
街歩き若者の冷やかしは無視する
夜間移動人通りの多い通りを選ぶ
レストラン不快な対応を受けたら退出→口コミで記録
心構え「相手は観光客だと思っている」ことを忘れずに
メンタルあなたの価値は他人の言葉で傷つかない

第9章 旅の現場で使えるイタリア語フレーズ


シーンフレーズ意味
話しかけられた時Non voglio parlare, grazie.話したくありません、ありがとう
無視したい時Lasciami in pace, per favore.そっとしておいてください
店を出る時Scusate, andiamo via.失礼します、出ます
口コミで報告する時Trattamento diverso verso gli asiatici. Ho lasciato il locale.アジア人への違う対応を受けたため退店しました

第10章 まとめ:差別を恐れず、正しく知って旅を楽しむ

イタリアでは確かに人種差別的な発言や態度が存在します。
しかし、それは全体のごく一部。

ほとんどのイタリア人は親切で、旅行者が困っていれば助けてくれる人ばかりです。

もし不快な出来事に遭遇したら、「無視・離脱・記録」という3ステップを守るだけで十分。
それだけで、旅は安全に、そして心地よく続けられます。

イタリアは文化、歴史、食、芸術にあふれた国。
少しの知識と冷静さがあれば、あなたの旅はきっと素晴らしい思い出になります。

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