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16時間1000円のインド寝台列車は本当にヤバいのか?現地体験から安全・快適に乗り切る完全ガイド

この記事は元動画のタイトル「【インド寝台列車】16時間1000円の寝台列車に乗ったら衝撃すぎた…」を基に作成しています。

目次

先に結論

インドの長距離寝台列車は、圧倒的なコスパと唯一無二のカオスを同時に味わえる移動手段です。

遅延は前提、混雑とマナーのギャップは日常、詐欺やスリは現実。

しかし、準備と立ち回り次第で安全性と快適性は大きく上げられます。右手での受け渡しや施しの文化など、背景にある価値観を理解しつつ、車両選びと防犯だけは日本基準で固めること。これがインド寝台を楽しむ鍵です。


どんな旅だったのかを数字でつかむ

出発地はコルカタ郊外のハウラー駅、目的地は北西部のバラナシ。

直線距離で約700キロ、東京〜広島に相当。

所要は約16時間、実際の遅延は出発約80分、到着約90分。

乗車クラスは三等寝台。運賃は約55ルピーではなく、文脈上約1000円相当の運賃帯。インド全土の鉄道総延長は約6万キロで地球1周半に相当。


運賃とクラスの目安

同じルートでもクラスで快適度が激変します。動画の実例を軸に整理します。

クラス目安料金帯エアコン寝台構成雰囲気と混雑度
普通クラス(ノンエアコン座席)三等寝台の約半額なし座席中心地元客で超満員、争奪戦
指定席なし(自由席)最安なし座席なしもあり立ち客多数、車内移動も困難
三等寝台(今回)約1000円相当ありがち3段寝台×両側コスパ最強だが混雑・雑多
二等寝台三等の1.5〜2倍程度あり2段寝台中心余裕が生まれ防犯もしやすい
一等寝台高めあり個室あり旅行者向け最上級、少数運用

ポイント
三等寝台は価格対効果が高い反面、混雑とマナーの洗礼を受けます。初回は二等寝台以上を推奨。


列車が来ないのは普通だと思う

出発予定は20時25分。到着した列車は21時45分で約80分遅延。イ

ンドでは4時間遅れや、最長30時間遅れの体験談も珍しくありません。予定は余裕を取り、到着当日の乗り継ぎ・予約は避けるのが鉄則です。


ハウラー駅で最初にぶつかるカオス

誰でもホームに入れるため、乗客以外も多数。ここで厄介なのが偽駅員や偽警備員の詐欺です。彼らはキャンセルを装って偽オフィスに連行し、高額ツアーを売りつけます。

見分けのコツ
向こうから積極的に話しかけてくる人ほど危険。

暇そうで働いていない人のほうが本物の駅員という皮肉な現実があるため、こちらから質問相手を選ぶことが重要です。駅構内の公式窓口か、車両に付く正規の車掌・TTEに確認するのが安全。


乗り込んだ瞬間から座席戦

通路は人であふれ、指定席にも見知らぬ人が普通に座っています。

多くは確信犯で、自由席や下位クラスからのセルフ無賃アップグレード。声をかければ多くは移動しますが、移動先も誰かの席という玉突きが発生します。指定席文化はあるが、施しの精神で詰め合うのが日常です。


三段寝台のリアル

三段ベッドが両側に並ぶ典型的な三等寝台。

身長181センチでも何とか伸びて眠れる長さは確保。ただし高さは70〜80センチ程度で座高に余裕はなし。マットは固めで、寝心地は想像より悪くないが良くもない、というのが本音です。


夜は防犯モードで寝る

貴重品はリュックごと抱えるかチェーンでベッドに固定。

スマホと財布は前ポケット。靴や上着の内側に隠す方法も有効。インド寝台での盗難は実例あり。通路側から手が伸びるので、通路側に開口部を向けない、ファスナーをダブルロックにするなど物理対策を。


深夜の騒音と早朝の売り声

夜はイビキ、通話、動画再生音で静寂は期待薄。

明け方にはチャイ売りの呼び込みで起床。耳栓とアイマスクは必携。睡眠アプリより、現地は耳栓の実力勝負です。


トイレは修行

床びしょびしょ、強烈なアンモニア臭、紙なしは標準仕様。

線路に垂れ流しタイプもあり得ます。

濡れた床で滑りやすく、車体の揺れと相まって危険。ウェットティッシュ、トイレットペーパー、便座カバー、使い捨て手袋が役立ちます。サンダルに履き替えると精神的ダメージ軽減。


自由席と無賃乗車の現実

改札が緩く、自由席はあふれ、そもそもチケットなしの乗客も紛れ込みます。

車内検札で発覚すれば追徴されますが、検札が緩い時間帯もあります。施しの文化から席を分け合うのが普通で、怒鳴り合いが大乱闘に発展しないのはこの価値観の賜物でもあります。


車内販売は旅の救い

朝のチャイ、昼の軽食、カレー弁当など、売り子が絶えず巡回します。

個人商売も多く価格は総じて安い。例として、米粉蒸しパンのイドゥリとカレーが約90ルピー前後で購入可能。衛生面リスクはあるため、加熱済みで回転の速い売り子から買うのが無難。


到着時が最大の修羅場

下車と乗車が同時進行で出口が詰まり、口論が多発。荷物は前に抱える、足元に置かない、降りる扉に近い場所で早めに待機する。

列があっても割り込まれる前提で動線確保を。


インド寝台を安全に楽しむための持ち物リスト

  • パスポートの原本と紙コピー、スマホの写真控え
  • 南京錠とワイヤーロック、ジッパーロックの小袋
  • 耳栓、アイマスク、首枕、薄いブランケットまたは寝袋シーツ
  • ウェットティッシュ、トイレットペーパー、アルコールジェル
  • 常備薬と整腸剤、経口補水パウダー
  • サンダルと替え靴下
  • 小額紙幣の束、ボトル飲料(未開封確認)
  • オフライン地図、翻訳アプリ

予約と当日の動き方のコツ

チケットは公式サイトや正規アプリ、もしくは信頼できる旅行代理店で早めに確保。

普通クラスや自由席は販売開始直後に完売することが多い。

駅では向こうから話しかけてくる人は無視し、こちらから公式窓口へ。発車ホームは直前で変わることがあるため、発車30分前から電光掲示を定期確認。


右手文化と施しの背景を知ると納得できる

食事や受け渡しは右手で行うのが礼儀。

施しの精神が座席シェアの空気を作り、怒号のわりに収まるのはそのため。

価値観の違いを前提に、必要な場面では日本式に権利を主張し、譲れるところは譲る。このバランスが心身の消耗を減らします。


旅程づくりの実践例

初回は二等寝台で区間短めから。

到着日は移動のみに充て、観光予約や長距離移動を入れない。夜行の翌朝はチャイと軽食で糖分補給、午前中は軽めの行程に。駅から宿までは配車アプリか、事前にホテル送迎を手配。


まとめ

インドの寝台列車は、安くて遠くへ運んでくれる代わりに、秩序と快適を試してきます。

遅延は笑い飛ばし、防犯は固め、衛生は自衛。施しの文化に敬意を払いながら、自分の安全ラインだけは譲らない。こうして挑めば、16時間1000円のカオスは、一生モノの旅の学びに変わります。

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