この記事は、元動画「【現実】バンクーバーに来られる全ての方に見てほしい」を基に記事を書いています。
結論:観光はしやすいが、東側は道一本で危険地帯に変わる
バンクーバーは清潔で観光地も多く、世界的に見ても住みやすい街として知られています。
しかし、ダウンタウンの東側、特にヘイスティングス・ストリート周辺には、地元の人でも避ける危険エリアが存在します。
ウォーターフロント駅からガスタウンのメイン通りまでは観光客で賑わい、日中の散策も安心ですが、アボット・ストリートを越えて東に進むと治安が一気に悪化します。
夜間の一人歩きは絶対に避け、路地裏や人気の少ない道に入らないことが重要です。
バンクーバーの基本地理と街歩きの起点
観光の出発点となるのが「ウォーターフロント駅」です。カナダラインやエキスポラインなど主要なスカイトレインが交わる大きな駅で、空港や郊外からのアクセスも便利です。
駅を出て左に進むと「ガスタウン」と呼ばれる歴史ある街並みが広がります。
石畳の通りとアンティークな建物が並び、バンクーバー発祥の地とも言われるこのエリアは観光客に人気です。名物の「蒸気時計」は15分おきに汽笛を鳴らし、周囲にはお土産店やカフェも多く、初めての訪問者には外せない場所です。
ただし、ガスタウンからさらに東へ進むと雰囲気が徐々に変わり、同じ通りでも明るさと安全度が急に下がっていきます。これがバンクーバー観光の「落とし穴」とも言える特徴です。
ガスタウンの安全エリアと境界線
ガスタウンのメイン通り「ウォーターストリート」は比較的安全です。観光客が多く、レストランやカフェのテラス席(パティオ)も並び、明るく開放的な雰囲気があります。
しかし、蒸気時計を越えてさらに数百メートル進むと人通りが減り、空気が一変します。かつて「キャプテン・バンクーバー像」が立っていた広場付近が観光の実質的な終点です。目印は細長い三角形の建物。この建物が見えたらそれ以上先へ進まないようにしましょう。
この先は「コルドバ・ストリート」や「ヘイスティングス・ストリート」と交わるエリアで、治安が急激に悪化します。
バンクーバーではこの東側地域を「ダウンタウン・イーストサイド」と呼び、地元の人でも不要不急の用事がない限り立ち入らない場所です。薬物使用や路上生活者の集まる地域であり、夜間はもちろん日中でも注意が必要です。
最も危険なエリア:ヘイスティングス・ストリート周辺
ウォーターフロント駅からガスタウンを抜け、アボット・ストリートを越えたあたりからが要注意地帯です。
「ヘイスティングス・ストリート」は特に危険で、キャラル・ストリートやアボット・ストリートとの交差点周辺では、地元警察も頻繁に巡回するほど治安が悪化しています。実際に薬物を使用している人や、使用済みの注射器が落ちていることもあり、足元にも注意が必要です。
サンダルなどの軽装で歩くのは避け、もし誤って入り込んでしまった場合でも立ち止まらず、速やかに引き返しましょう。
また、近くにある「ビクトリー・スクエア(勝利広場)」という公園も注意が必要です。
一見すると緑が多く綺麗な公園に見えますが、昼間でも独特の匂いが漂い、近くを通るだけで不安を感じるほどです。この公園が見えた時点で引き返すのが安全です。
治安が悪化した背景と現在の状況
ヘイスティングス通り一帯は、もともと商業地や百貨店が並んでいた地域でした。
しかし経済格差や住宅問題の影響でホームレスが集まるようになり、廃墟化した建物を不法占拠するケースも発生しました。
その後再開発が進み、高層マンションや商業施設が建設されましたが、周辺の環境は完全には改善されていません。
また、薬物問題や貧困層支援の課題も重なり、地元では長年にわたり社会問題として議論されています。
図書館周辺と「ロブソンストリート」は比較的安心
危険エリアの印象が強い一方で、ダウンタウンの西側や南側には安心して歩ける通りもあります。
その代表が「ロブソン・ストリート」と「グランビル・ストリート」です。ロブソン通りはブランドショップやレストラン、カフェが立ち並ぶ華やかなメインストリートで、観光にも食事にも便利です。夜でも人通りが多く、比較的安心して歩けます。
グランビル通りも駅やショッピングセンターが集まる活気あるエリアで、昼間なら問題なく楽しめる場所です。
ただし、どちらも数ブロック違うだけで雰囲気が変わるため、ロブソンやグランビルでも東へ寄りすぎないよう注意が必要です。目安として「シーモア・ストリート」より東側には踏み込まないのが無難です。
季節と時間帯で変わる危険度
夏場は夜の8時頃まで明るい日が続きますが、冬になると16時過ぎには日が沈みます。日没後は人通りが急激に減り、同じ道でも体感治安が全く変わります。
特に観光客が少なくなる冬の夕方以降は、どんなに明るい通りでも一人歩きは避けた方が良いでしょう。
写真撮影や路地裏探索に潜む落とし穴
北米では「路地(アリー)」が広く整備されていますが、夜は照明が少なく非常に危険です。
最近はSNS映えを狙って「フォトジェニックな裏路地」を探す旅行者もいますが、こうした場所はトラブルのリスクが高く、絶対に立ち入らないようにしましょう。
安全に写真を撮るなら、日中のガスタウン中心部かロブソン通りがおすすめです。
初めて訪れる人へのアドバイス
バンクーバーを安全に楽しむためには、まず「行ってはいけない場所」を知ることが大切です。
ダウンタウン・イーストサイドを避け、日中に人通りの多いメインストリートを歩けば、十分に安心して観光ができます。
また、スマホや財布を見せびらかす行為は避け、必要以上に現金を持ち歩かないようにしましょう。
まとめ:境目を知れば、バンクーバーは安全で魅力的な街
バンクーバーは、海と山に囲まれた美しい街であり、治安の良い地域も多くあります。ただし、ダウンタウンの東側には短い距離で雰囲気が急変するエリアが存在します。
「ガスタウンの細長い建物を越えない」「ヘイスティングス通りに入らない」この二つを意識するだけで、安全性は大きく変わります。
正しい知識と注意を持って歩けば、バンクーバーは誰にとっても快適で思い出に残る街になるはずです。
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