この記事は、YouTube動画「【崩壊】移民大国オーストラリアの末路…データが示す衝撃の実態」を基に作成しています。
結論
オーストラリアは高度人材を中心に移民受け入れを続けることで経済を押し上げてきましたが、人口流入のスピードが住宅供給と社会インフラの整備を大きく上回り、家賃や住宅価格の急騰、ホームレス増加、治安不安という副作用が一気に顕在化しています。
政府は建設目標を掲げていますが現状の供給ペースでは追いついておらず、国民の多数が「住宅が整うまで移民数を制限すべき」と考える段階に入りました。
必要なのは移民受け入れの是非ではなく、住まいと公共サービスを先に用意する設計への転換です。
オーストラリアで今起きていることの全体像
2025年8月31日、シドニー、メルボルン、ブリスベン、アデレード、パース、ホバートで反移民デモが行われました。
人口2500万人に満たない国で、2023年の純海外移動者は約54万7000人、2024年も44万6000人と歴史的高水準が続きました。
人口増加の中で移民が占める比率は8割超に達し、住宅とインフラに過度な負担がかかっています。
移民流入の規模と受け入れ構造
国内人口の約3割が外国生まれです。
出身国はイギリス、インド、中国、フィリピン、ネパールなどが上位で、近年はアジアからの流入が加速しました。
移民プログラムは経済成長を狙い、2025〜26年度は18万5000人の枠のうち約7割に当たる13万2200人をスキル部門に配分しています。
医療、IT、建設などの人手不足分野が受け皿となり、受け入れは基本的に「経済メリット」重視で設計されています。
住宅供給が追いつかないという根本問題
2024年の純海外移動者44万6000人に対し、新規住宅着工は16万8000戸にとどまりました。
人口流入が住宅供給を約2.6倍も上回る構図で、賃貸市場は常態的な取り合いになっています。物件の内見に数十人が集まることが珍しくなく、住まい探しがオークション化しています。
家賃と住宅価格の現実
ABSの住宅価値調査によると、2025年6月期の住宅総価値は11兆5640億豪ドル、平均住宅価格は101万6705豪ドルに達しました。
日本円換算でおよそ1億円規模です。
家賃も急騰し、西オーストラリア州は2019年4月から2025年4月の6年間で中央値が約75%上昇し、週355豪ドルから613.5豪ドルに、ニューサウスウェールズ州は485豪ドルから655豪ドルへ、タスマニア州は275豪ドルから435豪ドルへと跳ね上がりました。
大づかみに言えば主要州の家賃は1.5倍になったという肌感です。
ホームレスの増加と若年層への直撃
オーストラリアのホームレス人口は増加傾向で、2001年約9万5300人から、2011年約10万人、2016年約11万6000人、2021年には約12万2494人に達しました。
現在約10万人規模とされ、その3分の1以上が25歳未満です。狭小・過密住宅に押し込まれる世帯も約4万7900人、路上生活者は7636人と報告されました。
移民受け入れが即ホームレスに直結したと断定はできませんが、人口増と都市集中、社会住宅の建設遅れ、投資資金の流入などが相乗して可処分所得の低い層を直撃しています。
治安不安と社会の空気
2025年9月にはメルボルン西部で10代の少年2名が覆面集団に襲われ死亡する事件が発生し、州政府は若者ギャング犯罪と戦うと表明しました。
移民収容施設には2025年2月時点で980人が収容され、約85%が犯罪歴を持つとされます。報道の偏りや定義の違いには留意が必要ですが、世論は治安リスクを強く意識する段階に入っています。
経済を支えた移民の功績というもう一つの事実
オーストラリアの建設や医療・介護の現場は移民比率が30〜40%に達する場合があり、ITや高度技術職の補完、農業の人手確保、大学を核にした教育産業の発展など、移民は「奇跡の経済」の重要なドライバーでした。
移民がいなければ、成長軌道も労働市場の需給も維持できなかったという現実があります。
政府目標と供給ペースのミスマッチ
政府は今後5年間で120万戸、さらにナショナル・ハウジング・アコードでは2029年までに220万戸の新築を掲げています。
しかし2024年の着工は16万8050戸にとどまり、このままでは2024〜2029年の5年合計で約98万6000戸にしか届かないとの業界推計が出ています。必要なのは年間24万戸ペースですが、現状はそこから大きく遅れています。
移民受け入れのスピードと世論の変化
2025年3月には新規到着が11万62人、1日あたり1223人ペースという数字が示され、年間換算ではほぼ50万人の増勢です。
世論では「十分な手頃な住宅が確保されるまで移民数を制限すべき」という意見が59%に達し、外国人の不動産投資規制強化を望む声も68%に上りました。
受け入れ継続を主張する政府と、生活コストの直撃を受ける国民の間に、認識の隔たりが開いています。
ネガティブ・ギアリングという制度的ゆがみ
ネガティブ・ギアリングは、投資用不動産の赤字を他所得から控除できる税制です。
実際のキャッシュフローが赤字でも税負担が軽くなるため、複数物件のレバレッジ投資を後押しし、価格・家賃の上昇圧力になるとの批判が強まっています。
制度の是非を巡っては政治的配慮も絡み、即時の抜本見直しは進みにくい状況です。
収容と統合の狭間で
移民収容施設の運用や、仮滞在から就労・教育への橋渡しが滞ると、生活困窮と社会の不信感がともに増幅します。
本来は住宅、言語教育、就労マッチング、通訳・相談体制、地域の受け入れ上限の可視化をセットで先行投資し、ホテル長期滞在や露天的な過密化を避ける設計が求められます。
何が解決のボトルネックになっているのか
最大の律速は建設許認可と施工キャパシティです。
建設人材の確保、資材調達、都市計画と交通・上下水道の拡張、社会住宅の優先順位づけ、地方分散のための雇用インセンティブなど、住宅以外のインフラを含めたボトルネック解消が必要です。
移民枠の量的調整だけでは、すでに積み上がった住宅不足を解消できません。
日本への示唆
日本でも労働力不足と在留外国人の増加が続いています。オーストラリアの教訓は明確です。
受け入れを進めるなら、住宅と公共サービスを前倒しで準備しなければ、生活コスト高と社会不安を同時に招きます。
対象の優先順位、地域の受容上限、言語・教育・就労支援の事前配備、税制や投資規制の整合までをワンセットで設計することが不可欠です。
まとめ
オーストラリアは移民で経済を押し上げることに成功しましたが、住宅とインフラの整備が遅れたため、家賃と価格の急騰、ホームレスの増加、治安不安という形で副作用が噴き出しました。
政府目標と現実の供給ギャップは依然大きく、世論は住宅が整うまでの移民制限を望む段階にあります。
移民の是非ではなく、受け入れのスピードと住まいの供給を一致させる運用の問題だという点が最大のポイントです。日本が同じ轍を踏まないためには、受け入れ前に住まいと統合の土台を整えること、そして税制・投資ルールまで含めた総合設計に踏み込むことが求められます。
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